[ 2023年度・秋期 選定作品 ]
上映期間 : 2024/2/9(金) 〜 2024/2/29(木)
for LIKE
山下 一世
五十嵐 未奈
撮影協力
Cafe Coil
プロデューサー
坂井 芽衣(Youth Film)
脚本
武石 昂大(Youth Film)
山下 一世
撮影機材
iphone 14 pro
小道具美術(エニシくん)
藤本 楓
監督/撮影/編集
武石 昂大(Youth Film)
製作
Youth Film
[ スタッフ紹介文章 ]
当映画祭で武石監督の作品を上映するのは2回目だ。
前作である『まちあわせ』と今作の『for LIKE』を見比べてみると、監督である武石昂大の作家性が見えてくる。
前作の『まちあわせ』は、コロナ禍の東京を舞台とした作品だ。
2024年現在、もはやコロナ禍は空けていると言えるが、私たちの今の暮らしはあの頃からの地続きで存在している。そして同じ様に、コロナ禍でも私たちの暮らしや生活は続いていて、そこには教科書で語られる様な悲惨な暮らしばかりでは無く、嬉しいことや悲しいことも同じ様に存在していた。
『まちあわせ』は、コロナ禍という非日常の中にあった、かけがえのない日常を思い出させる作品になっていた。
そして、今作『for LIKE』は、とあるカフェテリアが舞台の物語だ。
そこにやってきたのは、山下一世が演じるとても言葉の少ない男。彼は、決して派手な行動をする訳ではない。また、この約5分間の作品には、劇的な結末が用意されている訳ではない。
しかし、パッと見た所はなんの変哲もない男が、よくよく観察してみると、少し面白い行動をしている。無口な男が見せる一つ一つの仕草が、どこかコミカルで笑いを誘う。こういう人がいるかもしれない、という様な親近感と、その人が見せるコミカルさ。
“偶然に発見した、よく見てみると面白い人“、それがこの作品の魅力のひとつだ。
この二作品に共通しているのが、「日常のある一場面」という点である。
『まちあわせ』と『for LIKE』は、日常をフィクション溢れる寓話として表現しているのではない。日常のありのままの風景を、深く掘り下げて描く事で、その中にこそ存在するかけがえのない瞬間を捉えていく。
それこそが武石昂大という作家の本質のひとつと言えるだろう。
私たちの普段過ごしている日常には、様々な人々がカットインして、そして知らない内に私たちの日常からアウトしていく。そうして私たちは、それを日常の景色にしてしまう。
しかし、たまたま隣に座っただけの人にも、物語がきっとあるのだ。
この人は、どこから来て、何を考えて、どこに行くのだろうか。そう考えるだけで、この世界は物語に溢れている。
武石監督の作品を見ると、そんな事を思い出すのである。
[ 監督からのコメント ]
この度は一度ならず、二度も私たちの作品en-Townシリーズ No.002『for LIKE』を上映していただき、そしてご覧いただき誠にありがとうございます。
本作は目の前にあるものそのものよりも"写真を撮ること"に取り憑かれた人間を描いた作品になります。あなたの周りにもこんな人がいるかもしれません。
en-Townはそんないつもの世界のどこかに居そうな余白の時間を描いたシリーズになります。幕間のほっと一間に本編の前に日常とフィクションの合間へ誘えたら何よりです。お楽しみいただけたらと思います。
どうぞこれからも素敵な映画体験をお楽しみください。
[ 監督プロフィール ]
武石昂大(たけいしあきひろ)
1995年生まれ。東京都出身。
高校三年生の文化祭をきっかけに映像制作を始める。
日本大学 芸術学部 映画学科 監督コース在学中に監督した「おるすばんの味。」が第五回八王子ShortFilm映画祭学生部門グランプリを始め数多くの映画祭にて入選・入賞を納め2018年フランス第71回 カンヌ国際映画祭にて上映も行われた。
現在も映像制作チーム Youth Filmのディレクターとして活動中。
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